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art review 最新版

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2010/3/30

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2009/9/4

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2009/6/3

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2008年08月02日
仕事部家+探訪

町田・相模原周辺のアトリエにおいて、「仕事部家+探訪」(2008年7月19日?27日)というロード・エキシビションが開催された。このプロジェクトは、企画趣旨に賛同したアトリエ主たちの協働によって実現されたものである。協賛者はいるがパンフレットや広報などにかかる資金などは参加アトリエ主各自のポケットマネーによってまかなわれたという。アトリエ主といっても、今回参加したほとんどのアトリエは共同運営のかたちをとっている。中心のない実行委員会は、町田・相模原に散在するアトリエ間の関係そのものを反映しているようだ。

企画に対する構えはアトリエごとに微妙に異なるが、通常見せることのないアトリエを第三者に見せることによって生じる効果、すなわち観客(来客)の反応への関心の強さは共通しているといえそうだ。つまり、アトリエを惜しみなく人目にさらしながら、じつは見られているのは来客であるということもできる。

各アトリエには、プロジェクトにあわせ、期間限定の展示空間が設置されている。散在するすべてのアトリエを1日でまわることはその土地に明るくない人間にとって不可能であり、また見たものに限ってもあまりにも多岐にわたるため、作品の詳細については割愛するが、ギャラリー契約作家の未発表の新作や今秋開催の某展覧会に向けて制作途中の作品などを見ることができた。

更地に直接プレハブを建てただけのアトリエや、工場跡やスポーツ倶楽部跡や鳥小屋、牛小屋などを改装したものなどと、アトリエのさまざまなありようをみることができたのも一興だった。石彫系の作家には屋外をアトリエとしているひともあった。

アトリエには制作のための工具や材料が所狭しと置かれている。この光景は企業城下町のひとつの町に育った身としては懐かしさを覚えた。町には大手企業の下請企業として中小企業が立ち並び、そのほとんどは零細企業であり、零細企業の資材置き場が住宅街に隣接していたりする。油染みた工具は日常の風景だった。

ふと、今回、「美術」と「工業」の関係について、再考するきっかけとなった。美術の成り立ちについて、工業を出自としていることは、北澤憲昭の『眼の神殿』およびその後に展開される工芸論に詳しい(同著の増補版についてはブリュッケから近年刊行予定ときく)。

オープンアトリエプロジェクトに先立ち開催されたシンポジウム「アトリエ空間の可能性を探る」でプロジェクト参加者のひとりの大村益三はアトリエを「下部構造」と表現した。和気藹々としたシンポジウムに似つかわしくない発言だった。大村は奇をてらったわけでもなく、淡々と発言していた。それゆえに、その発言はなにごともなく素通りされた。

工業社会から情報社会へと社会構造が変化しているなかで、美術も変革に直面している。しかし、情報社会に工業社会が飲み込まれるだけであって、工業はなくなることはないだろう。ただ、立脚点が異なるだけだ。

「美術」は「工業」の延長線上に間断なく続いている。(浦野依奴)


「仕事部家+探訪」(2008年7月19日?27日)
http://oap2008.com/index.html